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2015年2月19日 (木)

中田考『イスラーム 生と死と聖戦』

出版されたばかりの中田考『イスラーム 生と死と聖戦』(集英社新書)をよんだ。

池内恵『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、高橋和夫『イスラム国の野望』(幻冬舎新書)に続いて、イスラーム関連の新書をよむのは今年これで3冊目。新書を3冊読んだくらいでもっともらしいことなど言えっこないが、現代日本のもっとも優れたイスラーム研究者による一般向けの本を読んだということはまちがいない。感謝です。

著者の中田考氏は1960年生まれ(あれ、私と同じだ)で、東京大学文学部イスラム学科の第一期生。大学4年になる前の春休みにムスリムになったという。イスラム学科設立から30年でムスリムになったのは中田氏ひとりしかいないそうだ。ちょっと意外。でも、この本の特異なところは、まさにそのごくごく稀な日本人ムスリムの研究者によって、イスラームの法や政治思想、死生観が平易に語られているということだろう。「平易」とは書いたが、語り口はやさしくても、理解して得心するのはむずかしい。

昔、井筒俊彦氏の紹介するスーフィズムなどのイスラム神秘思想(異端とは言えないかもしれないが、かなり特殊な思想ではあったと思う)にわからないなりにひどく心惹かれたことがあったが、中田氏の語る思想はイスラーム教のあいだではもっとスタンダードなところに立脚しているようだ。そのスタンダードが、日本ではあまり知られていない、いや、ぜんぜん馴染みがないということなのかもしれない。

この本の巻末に、池内恵氏の解説がついていて、これがまた実に意を尽くした文章になっている。池内氏の『イスラーム国の衝撃』を読んだ方は、この本も続けて読むことをお勧めします。

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